医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2015年3月9日

(95)政治献金は何のため?

 政治家と企業献金がくすぶっています。2月に西川農水相が、国の補助金を交付されていた企業からの寄付金、製糖業界からの寄付金問題で辞任後も、望月環境相、上川法相も補助金交付企業からの寄付が問題になりました。さらには安倍首相、麻生財務省、菅官房長官など6閣僚、さらには民主党の岡田代表も、というのだから何をかいわんです。
 政治資金規正法は1948年、米国の法律をモデルにGHQ(連合国総司令部)の指導でできた意外に古い法律です。田中金脈事件、リクルート事件などの度に改正されました。政治家はこんな法律は不要だと思っているのですが、官僚は「国民の声を無視できませんから」「抜け道をたくさん作って実害のないようにしますから」と政治家を説得し、いかにも法律を強化したように取りつくろった、と、記者仲間ではいわれていました。
 今回、同法で焦点になったのは、国の補助金を受けた企業などは交付決定通知から1年間は政治献金禁止、との規定です。ところが、役員は同じでも別組織の企業だから問題ない、補助金の交付先を選定したのは国でなく代行の法人だったから問題ない、政治家が補助金交付企業と知らなかったから問題ない、など骨抜きが次々に明らかになりました。
 そもそも規正法では献金先は政党支部に限られています。しかし、政党支部はいくつでも作ることができます。補助金を受けた企業からの献金規制がなぜ1年間なのかも疑問です。1年過ぎたらおとがめなし、も大骨抜きです。
 日本の政治家と官僚の目的は、税金をいかに自分たちの利益のために取り込むかだといわれていますが、いつの間にか、日本の企業も感化されてきたようです。企業に補助金をばらまく産業経済省のような官庁は世界で珍しい、と聞きます。どの企業も補助金で事業をしたい、それには日常的に官庁や政治家と親しくする、その代わり天下り先や献金を、という汚職的な構造ができあがっています。
 1994年に政党交付金制度ができ、日本共産党以外の政党は交付金を受けています。2013年は自民党145億円、民主党85億円と巨額ですが、制度は政治献金の規制の代わりだったと記憶しています。政治献金が復活するなら交付金はやめるべきだし、交付金を続けるなら献金は全面禁止にすべきではないでしょうか。

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