医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2015年3月17日

(96)健康に役立つ健康食品が続々

 これまでの規制を大幅にゆるめ、企業の責任で食品の健康への効果をうたうことができる「機能性表示食品」のガイドライン案が3月2日、消費者庁から発表されました。今年夏ごろから実施される見込みです。健康にいい、といわれると、つい買う気になるのが消費者です。企業が常に正しい情報を提供するだろうか、最終的に消費者にメリットがあるか、など、制度の今後に注目です。
 健康食品の表示は、すでに効果や安全性を国が認めたトクホ (特定保健用食品) 、ビタミンやミネラルの含有に限った栄養機能食品があります。しかし、健康食品の多くはこれらの対象外でした。新聞やテレビの大きな広告を見ればわかるように、食品関係のれっきとした大企業が健康食品に力を入れています。こうした企業の要求に応えて、国も規制をゆるめることにしたわけです。
 ガイドラインでは、効果や安全性の一定の根拠を示す資料とともに、国に届け出ます。国の審査で許可になるトクホにくらべて楽になります。しかも、対象は健康食品ばかりでなく、一般の加工食品や生鮮食品にも広がりました。ただし、薬と違ってあくまで食品ですから「白内障を治します」といった直接的な表現はできませんが、特定の有効成分が多い品種をやや漠然と、たとえば「目の健康に役立ちます」「いつまでも若い目のままで」などと宣伝することができます。
 サプリメントの多用による健康被害も考えられないこともありませんが、一番ありそうなのは、過剰な期待感から、消費者が効果の乏しい、しかも割高な健康食品をどんどん買うことです。
 焼けこげによる発がん性、食品添加物の害、栄養素の効果など、根拠として示される動物実験は通常量の100 倍、1000倍、あるいはそれ以上もの大量で行います。そうしないと害や効果が見えないからです。その結果、ふつうの食べ方では害も効果もない場合が少なくないのです。
 新聞やテレビのニュース報道は今でも、わずかな効果をオーバーに伝えています。健康食品を売りたい企業はさらにそれを増幅した名文句を考えるのです。

トップへ戻る