医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2022年4月4日

(445)自動車の燃費などをごまかすなんて

 トラック大手の日野自動車がエンジンの排気ガスや燃費の性能試験をごまかしていたとの報道が 1カ月前にありました。試験を担当する社員が試験の途中で部品を取り替えたり数字を書き換えたりしていました。その結果、偽って国の保安基準に合致しているとの形式指定が得られていました。国土交通省は同社のエンジン 4機種の形式指定を取り消しましたが、搭載車両は13万台にもなるそうです。
 似た話があったなとネットで調べて、すぐに出てきたのは2016年 4月の「三菱自動車、燃費試験データの不正操作認める」社長のおわび会見ニュースでした。燃費が10%程度良くなるようにタイヤの空気抵抗などの数値を書き換えていました。三菱自動車と日産自動車の 4車種60万台が販売されていました。
 三菱自動車はルノー・日産グループ、そして日野自動車はトヨタ自動車グループです。日本を代表する両グループが堂々と何年も会社ぐるみの不正を重ねていたのですから驚きます。チェック機構が不十分とはいえますが、最初から同じ会社の別の課がきっと不正をやるだろうと監視する、なんてことは日本の企業には無理でしょう。
 これもやや似た話ですが、不適切な塗料が全国の水道管で使われていることが今年 1月に明るみに出ました。メーカーの神東塗料がデータを偽装して日本水道協会に出していました。
 自動車エンジンも塗料も自社の試験をごまかして届け、認可を受けています。国などが試験に立ち会えばいいのでしょうが、おそらくは人手不足なのでしょう。内部告発でもないと発覚しないのは、安全性を十分に見こんである結果と言えるかも知れません。いっそ、そんな試験ならしなくてもいい、とも思ったものの、それだと走行中に突然壊れる車が出る危険もあり得ます。
 もっと厳しく認定を、と思いながら書き始めた原稿です。消費者に余分な出費をさせる燃費は問題ですが、安全性に影響しない項目まで厳しく求めることが本当に必要なのでしょうか。企業の良心に期待しながら時々は警鐘を鳴らす、という今のいい加減さで十分かも、という気もしてきました。甘いかなあ。

トップへ戻る