医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2023年3月14日

(489)早い強制送還やはり疑問

 政府が 3月 7日、入管難民法の改正案を閣議決定したとの報道に驚きました。2021年に国会に提出されましたが、名古屋の入管施設でスリランカ女性が亡くなったことなどから疑問が高まり、廃案になった法律が再提出されました。
 強制退去処分を受けた不法残留者のなかには母国に帰れば迫害されるなどとして送還拒否をする人があります。その場合、難民申請をすれば送還されませんが、その規定を利用して何度も申請を繰り返し、日本に留まるケースがあります。その乱用を防ぐため 3回目以降は申請中でも送還できるようにしようという改正案です。
 ロシアから攻撃されているウクライナ、地震の被害も重なったシリア、そしてミャンマーなどから外国へと逃げてくる難民は増える一方です。その難民に極めて冷たい日本。先進国では2021年、ドイツ、カナダ、フランスが 3万人以上、米国が 2万人、英国が 1万人台を受け入れたのに日本は過去最多で75人でした。
 強制退去者は出入国在留管理庁の施設に収容されます。体調不調を訴えたスリランカ女性は無視・放置され、命を失いました。ビデオでは精神科病院や介護施設での虐待と変わりないことを政府機関が率先して実施しているとしか見えませんでした。施設外での待機も認めるなど今回の改正案に多少の改善はありますが、早い強制送還は難民の苦しみや命の危険を増やす、今以上に冷たい、人道主義に反する対応になります。
 外国人軽視、移民拒否の風潮は入管に限らず、日本政府共通の認識のようです。農業や漁業での深刻な人手不足から技能実習生を求めながら、移民嫌いは非常識です。少子化・人口減少の日本で働いてくれ、母国よりも日本にいたいと希望する外国人に感謝し、移民として受け入れるべきではないでしょうか。
 いろんな民族が知恵を出し、助け合って暮らす国際社会こそ、平和日本が目指す社会だと思います。

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