医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2020年8月3日

(365)地球環境がコロナで改善

 ヘエーッと思う新聞記事は最近はめったにありません。昨日の日曜日の「コロナで地球が健康に」(『朝日新聞』グローブ8月2日付け)はそのまれな1つでした。
 高層ビル群の上に白雪の連峰のカラー写真は、一瞬、私の郷里・富山の立山連峰と勘違いさせました。実は4月に米国ロサンゼルスの高台住宅地から見た風景でした。撮影者によると、普段はかすみがかかっています。それがこの朝はクリアなのに驚き、シャッターを切りました。
 インド各地の空気もきれいになり、数十年ぶりに北部の都市からヒマラヤ山脈がはっきり見えたようです。主要都市の大気の微小粒子が30~50%減り、インドの環境シンクタンクは「交通量の激減と工場の稼働停止」が原因と見ています。中国の武漢市でも「星空が戻った」など、大気汚染の改善は日本を含む世界共通現象です。「外出自粛で車の利用が減った」との竹村俊彦・九州大学教授(気候変動科学)の解説も付いています。
 新規感染者が毎日発表され、報道されて、新型コロナウイルスは全世界に恐怖をふりまいています。半ば強制の自粛生活で、夏休みが始まっても、帰省や旅行がしにくくなりました。ストレスが増す一方の感じですが、その結果、地球の環境が改善されているとしたら、コロナにもちょっとはいい面があったことになります。
 いや、環境だけにとどまらず、日常生活の改善があるかも知れません。
 「三密」を避けるための出勤規制。通勤時間を含めると、日本人の労働時間は長すぎます。テレワーク、オンライン勤務の導入で、ようやく働き方改革も現実味を帯びてきました。日本は「ウサギ小屋」の住まいだけでなく、職場も店も通勤電車も「密」過ぎます。コスト削減による企業利益の拡大が行き過ぎだったことをコロナが教えてくれている気がします。
 この梅雨も熊本や山形県で大規模な豪雨、浸水被害が出ました。異常気象の一因が環境悪化による地球温暖化とされています。でも、経済面の記事では石炭使用の火力発電所は必要だし、自動車の生産台数減を深刻視しています。変ではないでしょうか。

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