医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2019年11月25日

(331)桜の会にも感心してます


 「桜を見る会」のニュースに、あきれたり、驚いたり、感心したりしています。
 1881(明治14)年から皇室の主催で開かれていた「観桜会」を内閣総理大臣主催で再出発させたのが、吉田茂首相の1952(昭和27)年とありますから由緒、伝統、名誉の固まりのような行事です。ヤエザクラが咲く毎年4月、東京の新宿御苑で開かれます。目的は「各界で功労のあった方々の慰労のため」で、政府要人や外交官、都道府県幹部、各界の代表者、功労者などが招待され、お酒や食事が振る舞われます。
 安倍首相に親しい人たちが多く招待されているとの噂話、ネット話から招待者の基準に疑問が出たのがそもそもの発端のようです。菅官房長官ら政府幹部は「各省庁からの推薦を元に内閣官房と内閣府がまとめている」「首相枠、政治枠などはない」と説明したものの、すぐにうそが露顕してしまいました。何と首相枠が1000人、副総理・官房長官ら3幹部枠が1000人、自民党枠が6000人もあるとのことです。
 首相の地元事務所は毎年、有料の「桜を見る会ツアー」参加者を募り、ホテルで首相夫妻が参加する前夜祭も開いていました。選挙で世話になった支援者が「わしも行きたい」「あいつも連れて行く」と言えば断りにくいのはよく分かります。枠を作り、希望者を募るのは一面では公平かも知れません。料金免除がないか、安い前夜祭パーティ代はお友だちからの寄付・特割ではないかなど、次々に疑問が噴出しています。見る会の招待者は何十年もほぼ一定だったのに、安倍首相になってからは毎年1000人から2000人ずつ増えており、国の費用でお友だちや支援者をどんどん優遇しようという意図も明らかです。問題が浮上すると名簿を廃棄するなどやり方も姑息です。
 そんな最中の11月20日、皮肉にも安倍首相の在職期間が最長になりました。従来なら恥ずかしくてやめざるを得なかったモリカケや今回の事件などを厚かましく乗り切れば、なるほど最長になるんだ、とよく分かります。

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