医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2023年5月29日

(499)胃がん切除後の患者の悩みは

 私は胃の全摘手術を受け9年になりますが、しばしば体調不調に悩まされます。でもそれは術後の患者さんでは当たり前のことのようです。
 胃を切った人たちの患者会「アルファクラブ」の機関紙5月号に会員のアンケート調査結果が報告されました。11月号の調査に男性229人、女性143人が回答しました。平均年齢は男性74歳、女性は72歳で、胃の切除後の平均年数は男性15.5年、女性14.7年で男女差はあまりありませんでした。
 56%が全摘で、胃の出口側の「幽門側切除」が32%、入口側の「噴門側切除」が9%でした。手術方式は70%が開腹手術で、負担の少ない腹腔鏡手術が28%でした。
 胃の切除で多くの患者さんは体重が減りました。男性は65kgから54kg、女性は50kgから42kgになり、肥満度を表す体格指数 (BMI)は19.0と17.5でした。「普通」の下限は18.5なので男性はかろうじて「普通」でしたが、女性は「やせ」の判定になります。
 男性が術前の66%、女性は61%と食事量が減ったことが大きな原因です。食事中や食事直後の症状として、つかえや膨張感の訴えが各4割、眠気と下痢が各3割ありました。また、食べて2~3 時間後はだるさ、下痢が3割でした。また、食事での悩みは・食べるものが限られている・外食ができない・何を食べればいいか分からない、の順でした。
 私は体重12kg減で、BMIは18.8と下限ぎりぎり。衣服の多くがだぶだぶになってしまいました。食事中のつかえや膨張感はありますが、その他の症状はほとんどないと思います。食べたい食品、食べやすい食品が限られてきているのは会員の患者さんたちと同じで外食時は選ぶのに困ってしまいます。
 こうした生活上の問題や予想外の病気が増え、私が思っていたよりも手術後は大変でした。病院ではそうした話は聞けませんでしたが、機関紙に載っている患者さんの対応が大いに参考になり、また勇気づけられました。

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