田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(461)政治と宗教の結びつきの強さ
旧統一協会と親しい国会議員が意外に多いことが明らかになりつつあります。先月 8日に安倍・元首相が銃撃された事件の波紋です。おそらくは銃撃容疑者の予測も超えた展開ではないでしょうか。
容疑者の母親は旧統一協会信者で、過大な額の献金をしていました。それに反発した容疑者は、会合にビデオメッセージを寄せていた元首相の銃撃を計画しました。
警察などの調べでは、元首相が協会に近かったことは確かです。元首相の疑惑の「桜を見る会」に協会関係団体の幹部が参加していたようですし、実弟の岸信夫防衛相は選挙での手伝いをしてもらったことを認めました。自分の選挙事務所に敵方の人間を入れるわけにはいきません。選挙の手伝いは密接な関係を意味します。
「多少は縁があった」自民党の前議員、現議員も10人以上の名前があがっています。馳浩・石川県知事(前衆院議員)は協会から選挙の支援を受けていましたし、二之湯智・国家公安委員長(前参院議員)は協会関連団体イベントの京都府実行委員長を務めていました。そのうちにもっと親しかった議員が浮上してくる可能性もあります。協会の仲良しは自民党だけでなく、立憲民主党、国民民主党などにもいるようです。
集金法には、先祖の因縁や祟りなどで不安をあおり、法外な値段で商品を売りつける霊感商法も含まれます。先月29日に記者会見した弁護士グループによると、協会の霊感商法や献金強要などの相談は去年までの 5年間で 500件以上、総額54億円にものぼるとのことです。
深い関係の政治家がいることは協会の安泰につながり、選挙の票まとめや支援は政治家の安泰につながります。持ちつ持たれつのうるわしい関係ができています。