医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2022年7月19日

(459)奈良の事件は驚きの連続

 毎日毎日が驚きです。参院選投票日直前の 7月8日に安倍晋三・元首相が銃撃されて亡くなる大事件が起きました。それからはテレビや新聞の報道に釘付けになっています。
 起きた場所が最初の驚きでした。私は奈良市の西大寺に12、3 年も住んでおり、いつも近鉄大和西大寺駅北口を利用していました。それが何と事件現場なのですから。馴染みの店や銀行、デパートのビルが毎日のようにテレビに映っています。
 護衛・警備のあれほどの失態にも驚きです。テレビカメラでは犯人が大きく動き、元首相の背後へ近づきますが、護衛の警官はまったく気づいていません。最低でも 2発目発射前に元首相にぶつかったり、被いかぶさったりするはずではなかったでしょうか。これから来日する外国の首脳は自前の護衛を大幅に増員するでしょう。
 円筒をガムテープで巻いた手製の銃、というのも驚きです。しかも、その発射の正確なこと。周辺には何人もいたのに、弾は他の人には当たっていません。犯人は何度も練習していたようですが、腕もなかなかのものだと感心しました。
 犯人は母親が旧統一協会に多額の献金をし、生活が破綻したとして、協会やそれを支援していた元首相を恨んでいたと理由を述べています。協会に限らず多くの宗教団体が過大な上納金を求め、信者が応じる現実にも驚きます。
 警察ははっきり伝えなかったのか、消防無線での「被害者は高齢男性」も驚きでした。平城宮跡からのドクターヘリも急ぐなら現場に着陸できたような気がします。
 長期政権の元首相は外遊もひんぱんでしたが、各国首脳の評価が非常に高いのにも驚きました。権力が集中し過ぎ、ごまかしや隠蔽の目立った政府との印象がありましたが、たしかに外国の独裁政権に比べれば取るに足らないレベルだったかも知れません。それにしても国葬に、との動きにも私は驚いています。

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