医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2021年5月17日

(403)保健ボランティアの活躍

 最近、印象に残ったオンラインでのセミナーがあります。先週 5月12日夜に開かれた日本WHO協会関西グローバルヘルスの集い、です。「保健ボランティア・なぜ日本には活躍の場がないのか」というタイトルに思わず引きつけられました。
 日本WHO協会はWHO(世界保健機関)の活動を支援する民間の公益法人です。甲南女子大学看護学科教授、中村安秀理事長が話題提供し、 4人のコメンテーターが登場しました。中村さんは30年も前、インドネシアでの保健活動に参加、自発的に検診などの手伝いで行政を支えるボランティアに感銘を受けました。そうした活動は新型コロナ禍のイタリア、タイなどでも盛んでした。
 英国の医学部に在籍中の日本人女子学生は、市民活動の停止後も、医学部学生は志願すれば活動できたことを報告しました。看護師の補助、患者観察、ワクチン接種などで、彼女は看護師の補助作業などを体験しました。一方、日本の医学部生は「恐怖の中の自粛」生活で、それも社会的強制を感じていたと語りました。
 国際保健協力市民の会代表理事の仲佐保医師は日本の問題点として、病院でも感染症専門医以外を軽視する医療従事者の閉鎖性、ファクスなどに頼るオンライン化遅れを強く批判しました。保健のケア、啓発をする民生委員に、感染を恐れて「訪問するな」と指示したのも問題と指摘しました。
 ディスカッションでは国境を超えての学び、医療者とボランティアの平常の関係、保健医療システムなどの重要性が浮き彫りになりました。
 考えてみると、民生委員には感染予防のためにワクチンを早く打って、高齢者を訪ねてもらうべきでした。そういえば、ワクチン接種を担当する医師自身が未接種で、感染を心配しているとの話には驚きました。確率を考えれば、担当外であっても医師、看護師やそれを助ける病院、介護施設職員、警察や救急、教員、保健ボランティアなどは早めに接種すべきでしょう。面会謝絶下の施設の高齢者、自宅でひきこもりの高齢者よりも急ぐべきではなかったか、などと思ってしまいました。

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