医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2015年9月14日

(121)お酒やたばこは20歳からでいい

 選挙の投票を20歳から18歳に切り下げたことから、飲酒や喫煙も18歳から認めようとの動きがあるようです。その中心は自民党の特命委員会ですが、党内でも反対意見が多く出たことから政府への提言が遅れています。これに関連し、9月9日、日本医師会の横倉義武会長が記者会見で反対を明言しました。
 報道によると、横倉会長は、喫煙が発達中の脳に悪影響を及ぼすことなどを指摘、「国民の健康増進の視点から断じて容認できない」とし、日本医師会としての反対を稲田朋美・自民党政調会長に提言案の撤回を申し入れたということです。また、健康に関連する政策については医療関係者の意見を聞くべきで、日本医師会が事前に意見を求められなかったことにも不快感を示しました。
 日本医師会が明確な姿勢を示したことはとてもよいことです。喫煙は何よりも健康上の害です。肺がん、喉頭がんなど多くのがんの原因になります。COPD(慢性閉塞性肺疾患)はじめ、心筋梗塞や脳卒中などいろんな病気にかかりやすくなります。喫煙者は10年も短命になるのですから、本来は20歳を過ぎても勧められない悪習です。飲酒はいい点もあるのですが、若者の飲酒運転・暴走事故が後を絶たないことが気がかりです。
 年齢を下げたい動きには、喫煙や飲酒で潤う業界の意図が明白です。日本が喫煙にとくに甘いのは、たばこ税を捨てきれない財務省、日本たばこや葉たばこ農家と離れられない政治家が多いことにもつながります。
 私はよく知らなかったのですが、成人年齢、選挙権は国際的には18歳が圧倒的に多く、先進国とされるOECD(経済協力開発機構)34カ国では19歳の韓国、20歳の日本だけが例外だったそうです。とはいえ、米国では50州のうち 5州の飲酒年齢は19歳から21歳。日本も喫煙・飲酒年齢を無理やり18歳にする必要はないと思います。
 余談ですが、20代の若者の選挙投票率は高くありません。年齢の引き下げでさらに投票率が下がる可能性もあります。思い切って、投票率40%未満の選挙はすべて無効、としたらどうでしょうか。

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