医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2020年3月16日

(346)医師の働き方が変わるなら

 4月から保険医療の公定料金である診療報酬が引き上げられられそうです。先月、厚生労働省の中央社会保険医療協議会が答申しました。しかし、いまの診療報酬はあまりにも細かく複雑です。医療の中身の取材が主で、医療制度にあまりくわしくない私は何度も説明を受けないとなかなか理解できないのが現実です。
 過労死などの問題から日本人の働き方改革が大きな課題になっています。医療現場では何といっても医師の過重労働の軽減です。今回の改定では、勤務医の時間外労働を減らす計画を策定した病院に加算が付きます。また、医療秘書など医師の仕事を助けるスタッフを置く病院の加算分も増額されます。事務的作業や報告書類が医師の仕事を増やしているのですから、これを減らすのは直接的な効果が期待できます。
 ただし、よく分からないのは、適用される病院に条件がいろいろあることです。また、事務スタッフの加算も入院費などの診療報酬加算なので、人件費がどの程度カバーされるのかもピンときません。こうした人員配置は本来なら国が人数に応じて病院に支払うべきでしょう。それに、労働軽減計画をたてても実行しない病院にも加算されるのかどうか気がかりです。
 そのほかでは地域の救急病院への夜間休日加算、移植のための臓器提供病院への大幅な加算はいいと思います。一生懸命にやっている病院の医師の労働軽減にもつながります。精神科医療の改善がかなりあるようですが、複雑で、分かりにくい感じです。
 医師の働き方を本気で改善しようとすれば、医師や補助職を大幅に増やすか、受診する患者を制限して減らすか、しかないのではないでしょうか。健康度が高い割に日本人は心配性で病院に行き過ぎるといわれます。また、医師も意味のない診療をしがちです。
 メディアの責任も大きい、とは思いながら、さてどうしたら、とまたまた考え込んでしまいます。

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