医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2020年3月10日

(345)子どもの無視はいつから

 新型ウイルス以外のニュースで最近、気になっているのは、子どもや老人、家族への大人の気持ちです。神戸市の児童相談所が、「家を追い出された」と夜間に助けを求めてきた小学6年生の女児にインターホンだけで応対、「警察に行け」と追い払ったという2月下旬の事件です。
 夜間業務を委託されていたのはNPO法人の60代男性で、インターホン画面で「高校生に見え、冗談だと思った」とのことです。午前3時半もの深夜、神戸市ではこんないたづらが多いのでしょうか。経験5年というこの男性が勘違いし、無視した児童は初めてだったのでしょうか。
 児童相談所の対応では何といっても千葉県野田市の小学4年生女児の虐待死事件です。女児は学校の先生に「お父さんに暴力を受けています」と訴えました。担任は特別な対応をほとんどせず、児童相談所に連絡。相談所は一時的な預かりをしたものの、結局は女児を父親の元に戻しました。しかも、女児の訴えた文章をその父親に渡してもいます。
 こうした事件が表に出ると、必ず人手不足が問題になります。国の通達、時には法律や規則の改正なども行われます。そうして年々充実してきたはずですが、なぜか今度は別の場所で同じようなことが起きてきます。
 大変さ、過酷さも知らないで!といわれそうですが、子どもを護ろうという意思を持つ人たちが相談所に詰めているのでしょうか。たまたまいるだけで他の部署にかわりたい、資格は必要といわれて取ったけど、あまり関心がないお役人さんたちでは困ります。
 野田市の父親は、裁判で虐待をほぼ全否定し、あたかも女児が嘘つきの常習者であるかのように弁明しています。これも驚きです。この何十年間の出来事を振り返ると、大人は年々、子どもに冷たくなってきたように思います。正直のところ、孫のいたづら、散らかし、壊し、騒がし、我がまま…が時々、気になります。
 大家族制が崩れて小家族、親も貧しく多忙になり、学校の先生は事務作業に追われ、子どもなんかかまっていられない…悩ましい時代です。

トップへ戻る