田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(58)不思議が続く、海と空の事故
このところ、韓国・珍島でのフェリー船事故の続報が気がかりです。高校生の修学旅行での沈没。乗客の多くが高校生でした。まだ200人以上も見つかっていません。しばらくは海面から一部が突き出ていた船もすっかり水没してしまいました。残っている空気も少なくなり、注入も追いついていません。うまくいけば、船室に何人も固まって生き残っているかも、との期待が日々、空しくなってきています。
それにしても、不思議の多い事故です。元々の船長は休暇で代役の船長、さらに事故時は3等航海士の若い女性が操縦していました。難しい航路なのに経験の乏しい航海士がしかも初めての航路ということです。だれもが最初から事故を予期しませんが、起きてみると、いくつかの悪条件がピッタリ重なっていたりするのです。
学歴社会で貧富差の大きい韓国は、日本以上に子どもに大きな期待を寄せています。親たちが憤るのは当然です。しかも、フェリー船は2度も急旋回をし、そのために積み荷が崩れた可能性があるとのことで、ナゾの急旋回がこれから追求されそうです。乗客を放ってこっそり逃げた船長もひどい話です。
急旋回といえば、3月のマレーシア航空事件も不可解です。クアラルンプールからほぼ一直線の空路を突然西に旋回し、インド洋南部あたりで消息を絶ちました。乗務員のハイジャック失敗なんてあるんでしょうか。おそらく中国では捜索のニュースは今も流れているのでしょうが、日本ではニュースも消えてしまいました。
子どもたちや孫を見ながら、突然に家族を、しかも、何の落ち度も責任もないのに失うという過酷な運命に本当に同情してしまいます。救助や捜索の技術をもっと上げることが必要だと痛感しました。