医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2024年1月9日

(527)新年の悲劇に驚きました

 元日の能登半島地震には本当に驚きました。私は 1人で自宅から2駅のところにある高幡不動金剛寺に出かけました。初詣をすませて喫茶店に入り、休憩をしていた時です。午後4時過ぎ、隣の席の女性2人の「地震だわ」「揺れてる」と言う声でテーブルや椅子がかすかに振動しているのに気づきました。見上げると店の天井から下がっている蛍光灯がゆっくりと揺れていました。
 間もなくスマホに「能登地方に地震」といった表示が出ました。家にいて気づく地震の震源地は大抵は房総半島周辺、千葉県です。大きな揺れではなかったものの、遠くの地震にしては揺れが大きい感じはありました。
 翌日は新聞の休刊日。自宅には息子、娘一家が泊り込みで来ていて、5人の孫がテレビチャンネルを独占していてテレビニュースは見れなかったものの、スマホで地震の被害が少しずつ増えているのが分かりました。
 翌々日1月3日の朝刊で「震度7、死者57人」の 1面大見出しで予想以上に大きな地震だったことを実感しました。チャンネルを奪い返したテレビでは各地の深刻な映像ばかりです。
 倒壊した家屋の下敷きになるなどの死者は輪島市と珠洲市に集中しています。能登半島先端の珠洲市では津波もありました。有名な「輪島朝市」周辺では火災が発生、200軒以上が焼けました。
 がけ崩れで埋まった家は信じられない悲劇でした。正月を老夫婦と一緒に祝った娘と子どもたち4人、息子夫婦と子ども3人の合わせて10人が亡くなったというのです。たまたま行くのが遅れて 1人助かった男性の嘆きは見ていられない程でした。
 9日の紙面では死者168人ですが、不明者が300人以上、そのうえ観光客もいた可能性があります。寒さや水、食料不足、ストレスによる関連死の危険があります。
 ひどい始まり方をした2024年、これからどうなるのか心配です。

トップへ戻る