田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(474)北朝鮮のミサイル騒ぎに違和感も
このところ北朝鮮のミサイル騒ぎがひんぱんに起きています。11月18日午前10時過ぎに北朝鮮の平壤近郊から大陸間弾道ミサイル (ICBM)が発射され、北海道・東北の西約 200キロの日本海に落下しました。
その前は、というと前日17日に短距離弾道ミサイルが発射されたばかりです。このミサイルは11月 2日には20発余り、それ以降も数回発射されました。韓国軍の報告では今年になってからの発射ミサイルは何と80発以上にもなります。北朝鮮は米国と韓国の軍事演習に反発、とくに米国への対抗意識が強いようです。
毎日見ているNHKニュースでは北朝鮮のミサイルは最大級の扱いです。防衛省や特派員、評論家が解説、北朝鮮の脅威を強調します。日本の防衛力をもっと高めなければいけないとの主張も出てきます。国に近いNHKほどではないにしろ、新聞も似た方向の記事が多いと感じます。各省庁の担当記者はどうしてもその省庁寄りになりますし、非担当記者の批判記事は掲載されません。
ICBMは米国本土を攻撃できる能力に近づいています。しかし、米軍がそれを脅威に感じるとは思えません。米軍は何百倍もの攻撃武器を北朝鮮をすぐ近くに用意しており、北朝鮮も知っているはずです。
先月、国民に北朝鮮のミサイルの危険を知らせるJアラート(全国瞬時警報システム)の誤発信がありました。それを改めるのはいいとして、標的になっている場所は警報10分以内に避難しないと間に合わないそうです。そんな警報が本当に必要でしょうか。北朝鮮は何の目的、利益があって日本の都市を攻撃するのでしょうか。
ウクライナを思うと戦争の悲惨さ、平和の大切さを痛感します。政府や防衛省のお偉方は戦争を前提とし過ぎているように感じてしまいます。