田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(473)進んでますね政治家の質低下
政治家の質の徹底した低下には残念、かつうんざりの気持ちです。11月11日に辞任したばかりの葉梨康弘・前法務大臣のことです。前法相は11月 9日の外務副大臣のパーティで「法務大臣というのは朝、死刑のはんこを押し、昼のニュースのトップになるのはそういう時だけの地味な役職」と挨拶しました。私は最初はよくある政治家のジョークかと思いましたが、死刑反対派の人たちの意見から問題発言だと認識しました。えん罪での死刑判決もあり得ます。
ところが、前法相の発言は実は別の会で何度も出ていました。ジョークでなく確信だと分かり、パーティでの詳しい内容が報じられて、さらに驚きました。
ニュースとはテレビ報道のようで、旧統一協会に絡んでテレビに出るようになったことを喜んでいる風です。その次に、外務省と法務省は票とお金に縁がなく、大臣、副大臣になってもお金は集まらず、票も入らない、だから皆さんに支えていただきたいと話しています。
正直といえば正直ですが、テレビにどんどん出て、票やお金を稼ぎたい、と言っているようで、つい、そのお金は何に使うのですかと聞きたくなってしまいます。
10月25日には山際大志郎・前経済再生大臣も辞任しています。前経済再生相は旧統一協会のイベントに何度も出ながら関係を否定、証拠を示されると次々に認め、国民をあきれさせました。2 人の大臣とも当初は全く辞任の意思はなく、任命責任者である岸田文雄首相も謝罪させてごまかす方針だったようです。しかし、周囲からの批判が余りにも高まり、ついに首相側から辞表提出を求めての「事実上の更迭」になりました。判断ミスの続いた首相も「政治家の質の低下」に含まれるのは明らかです。
同類の大臣、自民党役員がまだまだいるようです。言動のおかしな米国のトランプ前大統領、ウクライナ侵攻のロシアのプーチン大統領などを考えると、質の低下は日本だけではなく世界中なのかも、と思ってしまいます。