田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(472)どんどん増える不登校に懸念
「不登校」の児童・生徒が増えているとのニュースも心配になります。10月27日、文部科学省の2021年度全国調査が公表され、報道されました。
30日以上休んだ場合が不登校ですが、小学生は 8万1498人、中学生は16万3442人、合わせて24万4940人でした。数年前から増え方が目立ってきて、前年の20年度より、小学生は約 1万8000人、中学生は約 3万人、合わせて 4万8000人 (25%) も増えています。
文科省のホームページを見ると、気になる原因は、小学生は①無気力・不安50%②親子関係13%③生活リズムの乱れ・遊び・非行13%④友人関係 6%⑤家庭環境の急変 3%⑥学業の不振 3%、の順でした。
一方、中学生は①無気力・不安50%②友人関係12%③生活リズムの乱れ・遊び・非行11%④学業の不振 6%⑤親子関係 6%⑥入学・進級時の不適応 4%、でした。無気力、生活リズムの乱れが共通して多く、小学生は親子・家庭環境、中学生は友人関係が重要と分かります。
かつては学校に行くことが子どもの義務、仕事でした。しかし、徐々に子ども任せの風潮が強くなり、寝坊や体調不調、学校が面白くない、いじめられるなどの理由をつけて休みます。 1度休むと抵抗はさらに少なくなります。不登校児童生徒の55%が90日以上の欠席でした。義務教育の小中学生だけに学校や関係者の対応や苦労が忍ばれます。
驚いたのは新型コロナ感染を避ける目的の不登校が、上記の不登校者以外に 5万9000人もいたことです。親も学校を休ませることに抵抗がなくなっています。
こうした子どもたちはその後、高校や大学、職場では大丈夫なのでしょうか。親の年金に頼る無職の若者が増えているといった時代背景の 1つにこうした不登校の増加が絡んでいる気もします。