田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(449)看護の仕事のすばらしさ
5月8日から14日は看護週間です。近代看護の母であるフローレンス・ナイチンゲールの誕生日 5月12日は早くから国際看護師協会が定める「国際看護師の日」であり、日本でも1990年から「看護の日」となりました。その日を含む日曜日から土曜日までが看護週間です。週の初日である 8日、日本看護協会などが主催したイベント「かんごちゃんねる」をオンラインで見ることができました。
前半は「忘れられない看護エピソード」受賞者の表彰でした。2010年から看護職、一般の2部門がありましたが、今回は看護職だけを対象とし、仕事の魅力を若い人たちに伝える作品を募集、脚本家の内館牧子さんらが審査しました。最優秀賞に選ばれ、アニメにもなったのは鹿児島県の離島の男性看護師の「南の島から」。救急現場の経験から病気は予防が大切だと痛感、あらゆる機会を利用して島民が病気にならないように、熱中症をはじめ、いろんな病気の予防策を訴えます。
内館牧子賞「祖母の微笑み」の作者の女性看護師が小学校 5年の時、脳卒中で意識もない祖母でしたが、看護師は「耳は聞こえるのよ」とやさしく話し、手を握らせました。祖母は微笑んだように見え、その印象が職のきっかけでした。また、優秀賞「努力は必ず報われる」は重症脳外傷で入院の18歳女性を作者の女性看護師は「この子は頑張る」と予感がありました。熱心にリハビリし 134日目に退院できました。看護師は毎日、書いていた日記を退院時に進呈しましたが「すごい」「すごい」であふれていました。
「かんごちゃんねる」の後半は、助産師、保健師を目指して大学院で学ぶ 2人の女性看護師が、それぞれの大先輩である病院助産師、自治体の保健師の職場を訪ね、仕事の内容を映像とともに紹介しました。助産師は妊婦の相談役から新生児のケアまで、保健師は新型コロナの電話対応から防護服の着用法指導、病気の予防、育児の指導など地域の人々の健康を支えます。「保健師に向くと思われる人は?」の質問に「人が好きな人」の答えが印象的でした。
イベント会場もオンライン視聴も若い人が多く、感動的な内容から、おそらく看護職を目指す人が増えたのではないか、と感じました。