医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2022年4月25日

(448)ウクライナの信じられない悲劇

 ロシアのウクライナ攻撃のひどさに毎日驚いています。クリミア半島に近い都市マリウポリをロシア軍はほとんど制圧しました。残っているのが製鉄所。ウクライナ兵もいるのでしょうが、その地下には1000人以上の市民が逃げ込んでいます。ロシア軍は包囲、封鎖しているようです。
 最近は何もかもが信じられないプーチン大統領ですが、何日か前には「ハエも通らないように封鎖せよ」と命じたと報道されています。わずかな食料でもハエの何百倍、何千倍もあります。明らかにプーチンは市民を飢え死にさせようとしています。
 住居であるビルや市街地に爆弾やミサイルが当たり、崩れ落ちています。 1つのビルの何カ所もが被害を受けています。以前は軍隊が見境なく発射した結果だろうと思っていたのですが、ひょっとすると「ビルを粉々にして皆殺しにせよ」という大統領命令があったのかも知れません。病院や産院も爆撃されました。避難しようとした人たちが列車を待っていた駅も誤爆ではなく、衝撃を与えようと狙った攻撃だったと思えます。
 マリウポリの近郊に集団墓地が作られたことを示す衛星写真がテレビで何度も写されています。そうした墓地は首都のキーウ (キエフ) 近郊にも作られていましたが、その何倍もの規模です。その穴に遺体をポンポン放り込む。いずれも、大量の虐殺を隠蔽する目的と考えられています。
 どれもこれもすごく残酷、非道です。よくこんなことができるものです。しかも、昔から憎しみあった種族間ではなく、ロシア人と家族や親戚、友人とつながっていることの多いウクライナ人なのに、です。
 ウクライナ以上に国境線の長いフィンランドがNATO加盟の動きになっています。世界大戦に発展しないで、と祈らずにはいられません。

トップへ戻る