田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(438)予想以上に深刻なコロナ後遺症
オミクロン株になって新型コロナは軽症化したといわれます。糖尿病や心臓病などの持病のある高齢者は危険でも若い人はそんなに心配することもなさそう。というわけで飲み会も食事会も徐々に復活、そこで感染のケースも増えているようです。そんな空気に水をかけるようなネットニュースが話題です。
コロナ後遺症の予想外に深刻な実態を報告しているのは共同通信の33歳女性記者。始まりは昨年 1月15日、帰宅途中で飲んだいつものリンゴジュースの味がせず、水のようでした。お茶、牛乳、ビールのどれも同じ。記者だけにすぐ、新型コロナに感染しての味覚障害と確信しました。翌日クリニックを受診、抗原検査は陽性で、東京都品川区や保健所にも連絡、熱は上がらず咳もない軽症で10日間の自宅待機をしました。
本来ならここから回復、のはずでしたが、強い倦怠感があり、大事をとって 2月からの職場復帰にしました。初日は電車通勤で激しい疲労感がありましたが、徐々に回復しました。ところが 4月になって再び倦怠感が強まり、体が鉛のように重く、動けなくなりました。PCR検査は陰性で再感染ではなく、後遺症が悪化した筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群の症状のようでした。結局、休職し、実家に戻ったりしました。不調の時は体の中で強い炎症が起き、我慢できないほどの不快感と痛みに襲われました。ウイルス感染による咽頭炎からの自律神経障害らしく、その治療で改善し、11月に職場復帰しました。しかし今でも、倦怠感や不快感があり、不安な状態が続いているそうです。
起こるのはごく一部の人でもこれではインフルエンザと同程度の病気とは言えません。重症化する高齢者も含めて、体質か遺伝子か環境か、減らすために医師か研究者に早く原因を突き止めて欲しいものです。
最近は子どもたちの感染も増えています。子どもたちにはこうした倦怠感や疲労感が無いのか、それとも大人がちゃんと聞き取っていないのかも気がかりです。