田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(435)日本の企業もがんばってます
新型コロナオミクロン株の感染力の強さが注目です。重症化率がやや低いのが救いですが、感染者数が増えれば重症者数は同じにも従来以上にもなってしまいます。感染を防ぐワクチンの 3回目接種、重症化を防ぐコロナ薬が大きな関心を呼んでいるのは当然ともいえるでしょう。
日本で使われているワクチンはファイザー社、モデルナ社製がほとんどですが、最近はアストラゼネカ社製も加わりました。コロナの薬も増えています。ウイルスの増殖を抑える抗ウイルス点滴薬レムデシベル (ギリアド・サイエンス社) や、中等症から重症者の炎症反応を抑え、回復を早めるステロイド薬デキサメタゾン (日医工など) 、さらには軽症から中等症向けの飲み薬なども次々と出てきました。ただし、どれも改善効果はあるものの、スパッと治すほどの力はないようです。自衛のためには3 回目のワクチンと、マスク+三密回避生活、を続ける必要がありそうです。
コロナの出現でこれから変わるのか、私たちは、エイズ、結核、マラリアを世界三大感染症と呼んできました。発展途上国では毎年約 300万人もが亡くなっています。ところでその 1つ結核の画期的な検査法LAMP法を日本の試薬メーカー・栄研化学(東京都台東区)が開発し、世界に大きく貢献しているのですが、関係者以外にはほとんど知られていないことが不思議です。
コロナ感染の確認で有名な遺伝子検査のPCR法はウイルス遺伝子を増幅するのに複雑な温度変化や精密装置が必要ですが、LAMP法は全く違う増幅法で、装置の簡略化、測定の迅速化に成功、2011年からは日本で結核菌、レジオネラ菌などの体外診断薬として販売されています。特別な検査室が不要で、途上国での結核検査も容易になりました。栄研化学は2020年からコロナ診断薬も販売しており、これを使って希望者にLAMP検査をしてくれる医療機関も増えてきています。
がんばっている日本企業もあるんです。