田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(43)年賀状さん、ありがとう
明けましておめでとうございます。なぜか、年々、お正月という感覚が減ってきていますが、何百枚か、ドサッと束になって届くと、やはり新鮮な気持ちになります。そう、年賀状です。
昨年の仕事も最後は年賀状作りでした。12月20日過ぎから住所の確認、喪中はがきをいただいた方のチェックなどをし、宛て名のラベル印刷ができたのが27日。そしてパソコンで年賀状の印刷開始が29日。途中で、急にこの人は亡くなったような気がすると、インターネットで調べると、本当に3 年前に亡くなっていて、もう 2回も年賀状を出していたことがわかりました。ご家族の気持ちを傷つけたかな、と反省です。といった具合で、印刷しながらのラベル貼り作業を一応終えたのが31日でした。
さて、いただいた年賀状です。干支の馬の絵が多いのは当然ですが、意外に多かったのが夫婦や家族、孫、ペットの写真入りでした。定年からだいぶ経ったお医者さんは奥さん同伴の外国旅行の写真で、3 カ所、4 カ所というのもありました。恐かった教授のニコニコ顔や、お孫さんたちの写真集もふしぎな感じがします。
メディア関係の方が多いためか、秘密保護法に関する言及が目立ちました。法律が通った日を「悪の日と呼ぼう」という提案もあり、結構真剣な危機感に驚きました。「年賀状は今回限りにしたい」との記述もいくつもありました。75歳から80歳前後で、年賀状なんて面倒で無意味、という気持ちになるようです。「年賀状の時代は終わった」という元運動家らしい宣言もありました。
お世話になった方も、最近は年賀状だけになっています。何人かはもう添え書きもない、印刷だけのお名前でしたが、それを見て、今年は何とかお訪ねしなければ、と思いました。ある時を共有した、と思える人は何億人のうちでせいぜい何千人しかいないんだ、その証明が年賀状、という気がします。
もっと早く年賀状に取りかかって、来年は元日に届くようにしようと、雑煮を食べながら今年も思いました。