医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2021年9月14日

(418)テロとの戦いの20年とは

 9月11日は米国同時多発テロから満20年でした。いくつもの関連番組の中で出てくる世界貿易センタービルの崩落は、すごい! に尽きます。2001年のあの頃、乗ったタクシーの運転手さんから初めて聞いたとの記憶があります。
 国際テロ組織「アルカイダ」の犯行で、首謀者ビンラディンがタリバン政権下のアフガニスタンにいると分かって翌月、米軍のアフガニスタン空爆が始まりました。アフガンは米国支援の政権に変わり、以来20年のアフガン戦争が続くわけです。
 2011年 5月、隣国パキスタンに潜んでいたビンラディン一家の邸宅に米軍特殊部隊がヘリコプターから降下、銃撃戦でビンラディンとその家族を殺害しました。パキスタン政府にも秘密の作戦でした。オバマ大統領、バイデン副大統領、クリントン国務長官の時代です。オバマ大統領は「正義はなされた」と宣言、多くの国は同調しましたが、どう考えても「テロにはテロ」の図式です。結局、テロは10年経ってもなくなりません。
 その間2003年にイラク戦争がありました。アルカイダを支援していたとか、大量破壊兵器の保有などを理由に米軍がイラクを攻撃、サダム・フセイン大統領が失脚しました。しかし、戦後、これらの情報は不正確だったと判明しました。あの政権が気に入らないからといちゃもんをつけ、戦争して滅ぼしたわけです。
 アフガンで米軍が 8月末、過激派組織に無人機攻撃をしたら、子ども 6人を含む 9人家族が死亡との痛ましいニュースもありました。新聞には小さくしか載らないけれど、イスラエルやアラブ、中東など世界中で戦争がおきています。誤爆がよくありますが、軍事上だと間違ってもだれも責任を問われません。また、それを良しとしていい加減な情報での攻撃も後を絶ちません。「家族の仇」と「テロにはテロ」へと走る若者の気持ちが分からないでもありません。
 米国ブラウン大学チームの報告では、アフガン戦争での死者は米軍7052人に対し、敵側兵士30万人前後、市民が36~38万人などとなっていました。

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