医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2021年9月6日

(417)不人気とはいえ首相急退陣に驚き

 世界は驚きに満ちています。さすがに想定外だったのは菅義偉首相の今月末での退陣でした。新型コロナ対策を始め、いろんなことが後手後手に回り、内閣支持率は下がり続けていましたが、それが結局は命取りになったわけです。
 菅内閣は基本的には安倍内閣の延長のようなものでした。菅さんは長く官房長官をやり過ぎたせいか、官房長官そのままのような首相で、会見での説明もいいわけもほとんど前と変わらなかった感じです。
 日本学術会議任命拒否問題はモリカケ問題そっくりの隠蔽でしたし、赤木ファイルも名古屋入管も説明不十分のままでした。コロナ禍で危ぶまれた東京五輪とパラリンピックは無観客で何とかやり遂げたのは良かったものの、旅行業界支援のGoToトラベル事業は中断せざるをえませんでした。
 安倍・前首相はコロナワクチンを重視していなかったようで、菅内閣も欧米から大きく遅れた導入でした。 7月に世界から観客を迎えてオリンピックをするなら、それまでに少なくとも関係者、できれば国民の大多数の接種が終わっているべきでした。本気で折衝していればワクチンメーカーも理解したはずで、今に至る供給不足などあり得なかったのではないでしょうか。病床不足からコロナ感染者の多くが自宅待機、そして容体急変で亡くなる人があるのは痛ましいことです。
 米国のアフガン撤兵での邦人避難で自衛隊機の出動が遅すぎました。内閣のせいなのか、官僚の無能や怠慢なのか。しかも、大使館員は邦人やアフガン人協力者を放置して逃げたと聞くと本当に恥ずかしくなります。
 政治家には珍しく真面目そうと思ってはいたのですが、そういえば息子さんが絡んだ総務省の接待問題もありました。力不足なのにいきなり自民党役員の一新を宣言、衆院選勝利、首相再選を狙っての失敗は、やっぱり政治家は政治家なんだ、大きな期待はできないなと痛感させられました。

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