田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(401)予想通りの与党完敗
菅義偉首相下で初めての国政選挙は予想通り、与党が完敗でした。 4月25日に投票があったのは、参議院広島選挙区再選挙、参議院長野選挙区補欠選挙、衆議院北海道 2区補欠選挙です。最も注目された広島の再選挙は自民党の河井案里議員が公職選挙法(買収)で有罪が確定、当選無効となったためでした。夫の河井克行議員(元法務相)が中心で、地元の県議や市町村長ら94人に約2500万円も配っていました。何ヵ月も連日のように事件が報道されました。自民の官僚候補と野党統一の元キャスター候補の対決になり、野党の宮口治子氏が当選しました。
長野補欠選挙は昨年暮れ、新型コロナで急死した立憲民主党の羽田雄一郎議員 (元国土交通相) の後任選びで、実弟の立憲民主党・羽田次郎氏が自民党の元衆院議員を破りました。
北海道補選は収賄罪で起訴された自民党の吉川貴盛議員 (元農林水産相) の議員辞職に伴うものでしたが、立憲民主党の前議員の松木謙公氏が当選しました。
いずれの選挙も当選したのは野党各党が相乗りの野党統一候補でした。それも自民党候補が立候補しなかった北海道を除いた広島と長野は与野党の全面対決でした。
自民党の地盤である広島は、さすがに「政治とカネ」が焦点でした。自民党政府は案里氏の選挙前に河井夫妻に 1億5000万円を配分しましたが、これは他議員の数倍で、案里議員が特別待遇であり、選挙に金をつぎ込めとの政府の指示のようです。
選挙の結果は当然ですが、政治に疎い私には若干の疑念も残りました。夫妻とも国会議員になる河井家はすごいし、野党といえど羽田家も議員一族です。今回もキャスターから議員が出ましたが、近年の議員や知事は世襲や官僚、それでなければタレント・著名人出身が目立ちます。
そして長野44%、広島33%、北海道30%という投票率の低さも気になります。国民の政治に対する怒りは感じられません。
さて次期衆議院選挙はどうなるのでしょうか。安倍政権時代からの自民党政府のうそ、ごまかしはひどいものです。欧米だと間違いなく政権交代ですが、自民党支持層が強い日本はさて、どうでしょうか。