田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(361) 看護の力で健康な社会を!
新型コロナのおかげでほとんど中止だった記者会見、記者発表が少しずつですが復活してきました。先週 6月30日は、コロナ治療でもがんばる看護師さんたちの総元締めの日本看護協会の会見でした。
福井トシ子会長以下の役員が間隔を十分開けて並び、役員の業務分担や今年度の重点事業などの紹介がありました。一番の目玉は、鎌田久美子常任理事による、新型コロナに対する看護協会の取り組みでした。感染の広がりで病院の医師や看護師不足が深刻になっていたことから協会は働いていない潜在看護職員に就業を訴えました。協会に要望があった求人1629人に1577人を紹介し、 996人が就業しました。最も多かった就業先は政府の要請を受けたホテルなどの軽症者宿泊施設で 4割超の 404人でした。大阪府看護協会は大阪府から直接の施設運用を委託されたほどで、協会の潜在職員動員は軽症者宿泊施設のスムーズな運営を助けました。コロナ相談のコールセンターにも 248人が勤務しましたし、協会も多くの相談を受けました。また、医療現場でのマスクなどの不足もニュースになりましたが、協会は企業などから寄付を受けた用具を医療機関に配付しました。 6月26日段階でサージカルマスク 7万個、フェイスシールド 4万2000個などです。
最後が福井会長からの「日本看護協会からの提言」でした。コロナ時代を乗り切るために看護力が必要なことを国民に訴える内容です。感染防止のカギは看護力で、医療機関への感染管理認定看護師の配置、保健所・保健師の充実、看護職への理解や経済的な評価、などが挙げられています。
2020年はナイチンゲール生誕 200年。保健医療政策への看護力の影響を高めるなどで人々の健康向上に貢献しようとの世界的な「ナーシング・ナウ・キャンペーン~看護の力で健康な社会を! 」が展開されています。推進団体でもある協会の対コロナ活動もまさにその線に沿っています。
自身の感染を防ぎながらの厳しい仕事と高い目標。改めて看護師さんの偉さを実感しました。