田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(357)理解しにくい最近の事件や報道
年を取ったせいだろうとは思うものの、最近の事件や報道はすっきりと理解できないなと感じることが増えています。新型コロナのおかげで、農家の人手不足が深刻になっているそうです。中国や東南アジアからの技能実習生が入国できなくなっているからです。
コロナの影響も加わった経済低迷で、実習生が働いていた中小企業の仕事がなくなったり、倒産したりのケースも出ています。国の担当部署の出入国在留管理庁はこうした実習生を、人手不足の農業や介護分野で再就職できるよう支援を始めました。
1993年から始まった外国人技能実習制度は本当にインチキな制度です。 3年間で特定の技術を習得してもらう国際貢献事業と称しながら、日本の著名な企業が単純な雑務に従事させたり、あっせん業者がピンはねして低賃金労働をさせたりしています。実態は、安価な使い捨て労働の手段になっているのに国が黙認しているのが不思議です。
その出入国在留管理庁から公的な窓口業務などを受託している外国人人材派遣会社が、偽造書類で外国人を入国させているとの報道( 5月20日付け朝日新聞) に驚きました。もともと不正をしていた会社が昨年、国の入札で落札したというウソのような話です。インチキも徹底的にする時代ということでしょうか。しっかり調べた続報が欲しいです。
そもそも農業や介護に日本の若者が行かないのもよくわかりません。低賃金で激務だからとのことですが、それだけ人手不足なら、普通は賃金はあがるものですが、なぜ低賃金のままなのでしょうか。公的価格が低いから、でお終いが不思議です。コロナのおかげで失業が増えても、日本人は農業や介護で働くべきではないのでしょうか。
ひょっとしたら厚生労働省は外国人労働者を前提にして介護報酬などを決めたのかも知れません。国の給付金の委託料はお役人やお友だち企業が前提なので高くしてある、というのと同じようにです。
例の「8050問題」も理解しがたいところがあります。勉強したくない子は学校へ行かなくていいし、仕事をしたくない若者は遊んでいればいい、がいつの間にか世の中の常識になっている感じがします。