田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(290)いろんな年賀状に感謝です
最も正月らしいといえば年賀状。この2、3 日はいただいた年賀状を1枚1枚読みながら整理しました。現役時代に取材でお世話になり、その後、何十年もお会いする機会がなかった方が少なくありません。去年もいただいたはずなのに名前を見ても思い出せず、10分ぐらい考えてから、ああ、あの時の、という方もいます。高齢社会ですから80代、米寿も珍しくなくなり「満94歳になりました」などと書かれています。助教授、教授、名誉教授と進まれても浮かぶのは最後にお会いしたころの顔で、しばしば数字に驚きます。
短い報告では、ご本人やご家族のご病気が増えました。重病なのに元気そうで、くわしい病名や症状も書かれています。医療の進歩を実感します。
「年賀のご挨拶は今回で終わらせていただきます」といった断りも目につきます。その有無は別にして、年賀状が来なくなって 3年ぐらいすると訃報を目にすることが多いな、と感じます。
ご本人を含めた家族の写真付きは、何となく昔は自己顕示が強い人だろうと思っていました。あれは誤解だったなと思います。「私を覚えていらっしゃいますか」と、会わない相手の脳を刺激して下さろうとの親切心を感じます。
外国の旅行先でのご夫婦の写真は微笑ましいし、息子さん娘さん家族を交えた記念撮影も幸せそうです。若い人だと子どもたちだけ、高齢だとお孫さんたちだけの写真もありますが、やはりご本人がいると何度も写真を見直します。昔の情景を思い出し、とても懐かしく感じます。
細かい活字で昨年のできごとを細々報告して下さる方もいます。ほとんど関係がないこと、ではありますが、読んでみるとその方の立場や考えが浮かんできて、近年は面白いと思うようになりました。葉書には書き切れないと、お手紙で長文の活動報告を年末に送って下さる方もあります。
来年の年賀状も楽しみです。