田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(248)森友学園どこまで明らかに?
どれだけあきれさせてくれるのか、際限がない感じです。もちろん例の森友学園問題のことです。27日に予定されている佐川宣寿・前国税庁長官の国会証人喚問の中身が注目されます。でも、果して真実が出るでしょうか。「価格交渉したことも提示したことはない」「総理夫人のことは知らなかった」「資料は廃棄されたので、無い」などウソで塗り固めた国会答弁をしてきた人が、罰則を恐れて改心するとはとても思えません。「自分の答弁に合わない資料を削ったり書き換えたりした」「私自身が部下に指示してやらせた」「誰からも指示はなかった」などと答える様子が目に浮かびます。
これまでの国会でのやり取りからすれば、森友学園の籠池泰典・前理事長が小学校用地を安く手に入れようと安倍首相夫人を利用したことは明らかです。そもそも、首相夫人が名誉校長を務める小学校などは特例扱い中の特例になるに決まっています。始まりはいつだったか、日本は官僚の力が強すぎるとして、政権・内閣の力を強める方向の改革が進んできました。議員を任命した名前だけの政務次官が権力を持つ副大臣に変わり、省庁の議員ポストが増え、官庁の任命権を内閣府が握るようにもなりました。おかげで昔は軽蔑対象だった「バカ議員」に官僚が従うのが当たり前、になりました。首相夫人なら名前だけでもそれ以上の存在です。
麻生財務大臣がウソ答弁を貫いた財務省理財局長だった佐川氏を長官に任命し、何度も「適材適所」を繰り返しました。ところが、突然の処分と辞任後は、麻生大臣は「佐川」と憎々しげに呼び捨てです。また、天下り問題で引責辞職した文部科学省の前川喜平・前次官は、菅官房長官の会見で終始、怪しげな人物扱いでした。内閣や議員のためにウソをつけば出世し、意向に逆らえば処分や人格否定になり、後々もいちゃもんがつくのは、今は官僚だけでなく子どもも知っています。
相次ぐ学校での乱射事件で米国では銃の販売規制を求める声が高まっています。銃に甘いトランプ政権や共和党はどうなるのでしょうか。その米国では大統領に賛成しない閣僚が次々首を切られて交代しています。いやあ、何があっても日本は平和・平穏なんだと、うれしいようなそうでないような気分です。