田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(186)しっかりしてくださいね、政治家さん
今年もとうとう終わりです。世界中で戦争とテロが暴れまくり、人々のあいだで憎しみが高まりました。極端な発言が喝采をあび、トランプ次期米国大統領をはじめ、大丈夫かと思われる政治家が次々に出現しています。
わが日本の安倍首相も宣伝効果を狙ってのパフォーマンスに一生懸命です。ロシアのプーチン首相を自分の郷里に招いて、領土問題での進展を期待していたら、見事、あてが外れました。次は真珠湾、というわけです。
ところで、安倍首相は東京生まれ。小学校から大学までずっと東京で過ごしています。本籍と選挙区はたしかに山口ですが、それで故郷といえるのでしょうか。真珠湾は、当初は現職首相で初めて、との発表でしたが、その後、政府は、1951年に吉田茂首相が公式訪問していたと認めています。さらに地元の新聞社・ハワイ報知社は、実は鳩山一郎首相と岸信介首相も訪問していたと報じています。「強行採決など考えたこともない」のに国会では強行採決が続くのが日本ですから、驚くに値しないことかも知れません。
それにしても、今年は政治家にはあきれた年でした。舛添・前東京都知事のむだ遣い体質に続いて、富山市議を始めとする地方議員が軒並みに政務活動費の不正請求していたことが表沙汰になりました。領収書の数字を書き換えて自分の飲食代にあてていたような話です。さらには自分所有の建物に政治団体の事務所を置き、政治資金から自分に家賃を払っていた国会議員が12人、家族名義の建物に置いて家族に払っていた議員も12人いたそうです。政治資金は何に使おうとほとんど自由です。フリーの記者がオフィスを自宅に置き、家賃を計上していたら、確定申告ではとても通らないはずです。
国会議員の政治活動に、1995年から国は年300 億円もの政党交付金を出しています。たしか、企業などからの献金が不明朗だとの批判から税金が使われるようになったとの記憶があります。法律の付則で、5年後から企業献金を禁止するとちゃんと書かれているそうです。それが20年たっても実行されないことを気にする議員などいないのが現実です。
元政治部の友人に聞いたら「政治は奥が深いからねえ」。さあ、来年はどんな事件が浮上してくるかです。