医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2013年6月10日

(15)未来工業はすごい!

 企業はもうけるのが目的。大きい方が有利な世の中では、小企業は中企業、中企業は大企業、大企業はグローバル企業をめざします。そのためには人件費を安くしたい。派遣社員やアルバイトを多用し、正社員はなるべく残業手当てを払わずにこき使う、というのが流れです。とはいえ、そうではない珍しい企業もあります。いつかテレビで見たこともある岐阜県の未来工業です。
 2013年6月6日、東京の衆議院第一議員会館で「『過労死防止基本法』の制定を実現する集い」があり、前社長で現在は相談役の山田昭男さんの講演を聞きました。
 山田さんの話によれば、未来工業の社員800人は全員正社員。定年は70歳で、65歳以降も給料はダウンしません。休日は140日。午後4時45分に終業し、残業はいっさい禁止で「日本一休日が多く、労働時間が短い」会社とされているそうです。山田さんは「しっかり働いてもらうには社員を喜ばせ、おだてるのが一番。それなのに、社員をいじめるのに喜びを感じているような企業が多い」と指摘しました。過酷なノルマや長時間残業などが過労死やうつ病などを招いている日本社会のことです。食堂の昼食は380円と安いうえ、半額は会社負担。毎年社員旅行をし、5年毎に海外へ…などいたれり尽せり、です。
 ホームページには電気、ガス、水道などの設備資材の製造販売業とありました。他社が追随できないような技術があるのでしょうが、それにしても楽しそうな会社です。
 弁護士グループによる電話相談「過労死110番」がスタートし、過労死が大きく注目されてもう25年になるそうです。それなのに、短時間労働が増える一方で正社員の過重労働も増え、過労死も増え続けているというのは驚きです。
 今年5月、国連の「社会権規約委員会」という機関は「過労死や嫌がらせによる自殺を防ぐ立法や規制を講じる」ようにと日本政府に勧告をしたとの報道 (『産経新聞』など)もあります。外国からも「過労死防止基本法」がないと日本の企業は改めない、と思われているようです。

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