田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(122)豪雨・洪水被害にも驚いた
先週、先々週は関東・東北地方の豪雨被害がありました。鬼怒川の堤防が決壊、茨城県常総市が水浸しになったのは本当に悲惨でした。屋根に逃れ、あるいは電柱につかまって、ヘリコプターで救助される一部始終はテレビドラマ以上の迫力でした。消防隊、自衛隊などの皆さんの活躍は心強いものがあります。
痛感することですが、本当に天候が荒っぽくなっています。以前なら1時間30ミリでも大雨だったのが、今は100ミリも珍しくありません。多くの場所で、何十年ぶりというのですから、対応が難しいのは当然です。
いろんな関連ニュースがありました。堤防決壊場所周辺地区住民への避難指示がなかったこと、決壊の情報が住民に伝わらなかったこと、など。常総市に対する住民の不満がよく分かります。広島の土石流被害の時の避難指示の遅れを思い出します。
常総市からみでは、9月15日付け『東京新聞』の記事に注目しました。3階建ての常総市役所の1階ロビーが浸水し、設置してあった通常の電源設備、非常用電源が使用不能になったのです。市役所は避難所も兼ねているのに、です。
びっくりするのは、そもそも、市の洪水ハザードマップでは、市役所は鬼怒川が氾濫した場合は1~ 2メートル浸水する地域とされていたというのです。市長は「市役所の浸水は想定していなかった」と述べたそうです。洪水ハザードマップの警告を市長さえ気にしていなかったわけで、なるほど…です。
鬼怒川の決壊場所の上流の越水が、太陽電池発電所の工事と関係するかどうかの調査も注目です。各紙の報道では、自然堤防を削ったものの、私有地でもあり、法律違反ではないようです。しかし、住民は危険だと国や市に訴え、国は堤防建設を検討していました。私有地なら何でも許されるかの疑問がわきます。