田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(11)天候不順で農家の苦労を思う
この日曜、月曜は、頼まれた取材があり、長野県の下伊那地方に出かけていました。前日までの雨が打って変わって晴れ、気持ちのよい新緑でした。
立ち寄った高森町の農家で、お茶をいただきました。そのお茶請けが、何と竹の子の煮物や三杯酢、わらび、玉こんにゃく、野沢菜など。美味しくいただきながら耳を傾けた話題がとても深刻で、改めて農家の苦労に驚きました。
4月になっての降雪やその後の冷え込みによる凍結や霜で、農作物にひどい被害が出たようです。下伊那地方では例年4月半ば近くに咲く桜が、暖かいために3月末に開花しました。ところがその後、4月11日、4月21日ころに冷え込み、降雪などもありました。一度暖かくなってから逆に寒くなったために、出た芽が霜をかぶったり、ひどい場合は凍ってしまい、収穫できない可能性もある、というのです。
下伊那地方は「市田柿」で知られる柿、リンゴ、ナシなどの産地ですが、場所によっては3分の1ほどの芽がやられました。また、稲の生育も半月遅れで、農家の人たちはだれもが不安にかられていました。下伊那地方ではこのごろは、朝・夕は10度を下回り、日中は25度を越す暑さになっています。この寒暖の差が今年は大きすぎるとの感じもあるそうです。
「長野だけではないのかも知れないですよ」。例年、交流のある鳥取では梨の生育がおかしく、富山では魚の漁期がずれている、の情報があるそうです。東京の新聞ではほとんど報じられていないことですが、ひょっとして、かなり広範囲に異変が起きているのかも知れません。
TPP(環太平洋経済連携協定)で日本の農業の将来が危ぶまれています。それに比べれば、とも思いながら、親切な農家のみなさんに同情を禁じえませんでした。