医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2013年4月8日

(6)食物アレルギーの悲劇

 乳製品アレルギーの女児が給食で亡くなる、という事件が昨年12月、東京の小学校で起きました。女児には粉チーズ抜きの「じゃがいものチヂミ」が用意されていました。
 問題は女児がおかわりしたことです。担任教師はアレルギーは承知していましたが、女児が「大丈夫」といったので与えました。栄養士が渡していた表ではおかわり禁止になっていたのに、担任はよく見ていなかったということです。
 私がまず、思ったのは、本人、家族だけでなく、担任教師もかわいそうだな、ということです。予期しなかった医療事故に巻き込まれた医師と同じようです。
 『日本歯科新聞』のコラムでも書いたことですが、事件の根本には、日本ではみんなで同じものを食べる学校給食が重視されすぎていることがあると思います。制服やランドセルや文房具、と日本の学校は何でも同じ主義。分かる子や分からない子も同じ授業です。私服だとお金持ちが競争になる、といいますが、極端な色やデザインなどは個々に判断すればいいはずです。一律にしておけば説明に手間がかからないとの手抜き管理志向があるのでしょう。あるいは出入り業者との関係かも知れません。日本の学校で個性が育たないのは当然です。
 それにしても、同じチヂミというのはわざわざ間違えやすくしているようなものです。違う形なら女児もおかわりを要求しなかったし、担任も考えたはずです。エビがだめ、という場合、学校はエビの形にしたかまぼこか何かを出しているのでしょうか。
 アレルギーや好み、宗教などで、食べられないものがある子どもには、まったく別の献立にするか、弁当持参を認める方が合理的です。もし、イスラムの子どもが入ってきたら給食現場は大変です。だから外国人の子どもは認めない、という日本の社会は明らかに本末転倒になっていると思います。 

トップへ戻る