田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(2)ニームで健康、アフリカ救済
先週3月7日はNPO法人日本ニーム協会のセミナーに、講師の1人として招かれました。2001年設立の協会はニームの普及、啓発を目的にした団体で、調査研究や関連商品の開発支援、販売などもしています。
えっ、ニームって何だ、ですか。ニームというのはインドなど東南アジアやアフリカに自生している、街路樹にもなる常緑樹です。日本名は「インドセンダン」。害虫を寄せつけないことで知られ、実際、その成分は非常に多くの害虫の忌避効果があります。アフリカでイナゴの大群が発生した時、残ったのはニームだけだった、といわれています。インドでは「村の薬屋さん」と呼ばれ、昔から虫よけのほか胃薬、虫下し、歯磨きなどに使われているそうです。日本でもニーム茶などの健康食品、ニーム入りのお菓子、消毒液、農薬などに活用されはじめています。
私は協会とは2008年秋からのおつきあいです。強毒タイプの鳥インフルエンザウイルスが人間に感染するのでは、と恐れられていたこの時期、私は「特効薬が開発された」という記事を『週刊現代』に書きました。それを読んで、創立者会長の稲葉真澄さんが連絡してくださってからです。
ウイルス学者の根路銘国昭さんたちは、故郷の産業振興を目的に、沖縄県に自生する植物の薬効研究をしていて、センダンの葉の抽出液に強い抗がん効果、さらにはインフルエンザなどウイルスを殺す効果があることを見つけました。日本のセンダンはニームに近い植物で、樹皮や果実が駆虫薬、葉が除虫薬として利用されていました。
セミナーで私は、健康食品のドリンク剤、ウイルス消毒薬になっていることなどセンダンの現状を話しました。また、各分野の専門家である講師たちから、インドではニームを抗がん剤にしようと研究が進んでいること、日本でのニームを使った減農薬栽培、有機農業が報告されました。
開発途上国の経済発展支援をする国際連合工業開発機関(UNIDO)というのがあるそうです。その開発官だった萩原孝一さんが「ニームを活用してアフリカを発展をさせたいと努力してきたが、中国人は熱心なのに日本人はほとんどアフリカに関心を示さない」と、嘆かれていたのが強く印象に残りました。