田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(187)不安で混乱の年の幕開け
2017年、明けましておめでとうございます。みなさんはどんなお正月でしたか。
私は奈良でした。奈良には1人暮らしのおばがいます。家内の父のすぐ下の弟のお嫁さんです。昨年12月におじの7回忌を済ませました。おばは認知症が進んでいて毎日、近くの介護施設で過ごし、夜だけ自宅に戻る生活です。月に数日、家内が様子を見に奈良に来ています。たまにはということで、私ら夫婦、息子一家、娘母子がおば宅に集合し、子どもたちが4人大騒ぎという賑やかなお正月を過ごしました。
私は久しぶりに1人で社寺を回りました。大晦日は秋篠寺、元日は大神(おおみわ)神社、2日は石上(いそのかみ)神宮、春日大社、そして薬師寺です。
秋篠寺はおば宅から近く、朝の散歩道の途中です。実は本尊の薬師三尊も、著名な伎芸天に負けないすばらしい仏像です。薬壺を手にした薬師如来はいわば医師役の仏さま。胃の全摘手術後、逆流性食道炎による喉の痛みに苦しんでいる私としては、何とか早く回復したいとの思いがあります。秋篠寺、薬師寺の薬師如来さまにお願いしました。
薬師寺本尊の前に吉祥天画像が飾られていました。本物にお目にかかるのは何十年ぶりです。その年の豊作を願って正月3カ日だけ本尊の代役を務めるとのことです。
神社の参拝では世界の平和、安定を祈りました。今年の最大の不安は、米国の新大統領登場です。米国の言いなり政治では日本は混乱するだけです。トランプさんを諌めることのできる人が世界を救うことになりそうです。
大神神社は大混雑で予想外の時間がかかりました。春日大社はさらにそれを上回るほどの参拝客。高齢者は意外に少なく、私の周囲は日本人はもちろん、アジア人、欧米人とも壮年の家族と若者ばかりでした。止まってはノロノロ歩き、にもいらだつ素振りはあまりなく、みんなおとなしい印象でした。
神仏をあてにするわけではないけれど、今年ほど先が見えない年があっただろうかと思います。さあ、どんな災難がやって来るのでしょうか。