田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(484)度を過ぎた若者の迷惑行為
複数の回転寿司チェーン店でひどい迷惑行為が行われ、その動画がインターネットで広く拡散され、大きな話題になっています。
一番ひどい動画では、若い男性客が卓上しょうゆ差しの口をなめ、重ねて置いてある未使用の湯飲みをなめて戻す、レーンの上を回っている握りずしに唾をつけた指で触りました。舞台は岐阜市の店で、犯人は高校生でした。信じられないほどの大胆さで堂々とふるまっています。おそらく一緒に行った友だちが動画を撮ったのでしょう。
安く手軽とあって私も昔はよく回転寿司を食べました。コロナ禍で回数は激減しましたが、今でも時折、家内と一緒に出かけます。あんまり気にしない私と違って、家内は以前からレーン上で回る寿司は決して取らず、同じものでも必ず注文していました。なるほど多少とも意味はあったのかと思いました。もっとも、湯飲みやしゅうゆ差しはそのまま使っていましたけれど。
正直なところ、このニュースの後は私も回転寿司に行きたくなくなりました。おそらく同じ思いの人は多いのではないでしょうか。回転寿司チェーンは売り上げ減で大きな被害を受けそうです。
ネットで注目を集めたいとの若者の言動が過激化してきます。この高校生も軽い悪ふざけ感覚で、店や業界に大損害を与える迷惑行為との認識はなかったのでしょう。チェーン会社は動画が出て数日後の 1月31日、警察に被害届けを出しました。
影響は多方面に及びます。チェーンはレーンに置くのは注文品に限り、衛生管理も強化しました。業界や他の飲食業界の改善にもつながります。一方、高校生は業務妨害罪などに問われ、損害賠償を求められる可能性があります。ネットには追随者が出ないように厳罰を求める声があふれています。
結果として、地元では大変なヒーローになっているはずです。本人が望んだ形なのか、どんな人生になるのかは分かりませんが。
窃盗や強盗、動機不明の殺人、傷害などもっと深刻な若者の事件が続いています。家庭や学校や社会の教育力の低下を感じてなりません。