医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2022年8月8日

(462)新型コロナ影響の大きさを実感

 新型コロナ感染のそれこそ「想定外」に近い増え方が続いています。しかも驚いたことにWHO(世界保健機関)の発表では、 7月18日からの週、そして次の25日からの週とも日本が新規感染者数の世界一だというのですから。
 欧州各国に比べてアジア各国は新規感染者数が 1ケタか 2ケタも少なかったのが、韓国が突然に増えたのに驚いたのを思い出します。日本の首位はその再現です。
 米国をはじめ欧米各国は急速に減りました。すでに感染した人はワクチン同様の免疫力をもっていると考えられ、感染者多数国ほど新規感染者が減る可能性もあります。日本人は世界で最も真面目なマスク国ですが、密集、密着の要素の大きいコロナでは、マスクの限界かも知れません。
それにしても、現在の「第 7波」で、日本では毎日20万人を上回る新規感染者が出ています。政府や協力専門家たちはさすがにまずいと考えているのでしょう。政府は先月29日、国の緊急宣言でなく、都道府県が宣言し国が支援する対策強化宣言を考え出しました。国の宣言で必要だった店や企業へのばらまき支援金が底をついたのでしょう。また、専門家グループは 8月 2日、政府の感染者数集計を廃止する方向を提言しました。「 3割とか 4割少なく発表したら」だと、ごまかし統計になってしまいます。
スペインかぜがそうであったように、強力な感染症も広がるとともに弱まり、日常的な病気に落ち着くはずです。ただし、まれとはいえ、突然の重症化と長期の後遺症が心配です。早くその目印が見つかって欲しいと願うばかりです。
手元にカラー写真集『世界パンデミックの記録』 (西村書店) があります。フランスのAFP通信が2020、21年に中国はじめ61カ国でコロナと直面する人々を写したカラー写真集の邦訳版です。遠くはなれた国々のマスク姿、奮闘する看護師や医師たち、野戦病院、変化した生活など約 500枚の写真からコロナの影響の大きさが改めて実感できました。

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