田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(412)コロナで本当に気をつけたいのは
緊急事態宣言が出て、毎日、多くの日本人が新型コロナに感染しています。直接の取材活動をしていない今は、テレビや新聞、ネットのニュース、そして雑誌や出版物が一番の相手です。とくにコロナについて書かれた本はできるだけ読むようにしています。最近、一番勉強になったのは、国立病院機構仙台医療センターの西村秀一・ウイルスセンター長の『もうだまされない新型コロナの大誤解』 (幻冬社) でした。
西村さんは呼吸器系ウイルス感染症の専門家。一番の専門はインフルエンザウイルスですが、コロナウイルスも含まれます。コロナについていくつも実験をした西村さんによると、メディア登場する「専門家」や「詳しい人」の説明は的外れが多く、それをもとに政治家が注意を呼びかけ、国民は無駄なことをさせられている、との指摘です。
コロナウイルスは感染者の咳から空中に飛ぶ小さな粒子の中に含まれています。生きているウイルスがたくさんいる粒子を吸い込むことで感染します。
私も、ウイルスは床やテーブルや壁などにくっつき、虎視眈々と感染の機会を狙っている、と思い込んでいました。店ではお客は何度も手をアルコール消毒し、お金は手渡しされず、店員は周囲をひっきりなしに消毒しています。
西村さんによると、それらが大誤解です。空中に飛ぶ粒子の中でウイルスがいるのはごく一部、そして物に付いたウイルスはほとんどが 1、2 時間で死んでしまいます。ウイルスは皮膚から感染しないので、何個かが手についても心配はなく、国民の多くは過剰な消毒していることになります。
空気感染を防ぐのに、マスクと、三密を避けることは重要です。粒子がいつまでも飛び回らないよう換気します。飲食店のアクリル板は有害無益、換気のよい小さなラーメン店や焼肉屋は安全、なども初めて知りました。
マスクと三密回避をしっかり心がけ、帰宅しての簡略な手洗いでコロナが防げるなら気持ちはだいぶ楽になります。