医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2020年11月16日

(380)珍しく多忙感のあった 1週間

 先週月曜から昨日の日曜まで、 1日置きに行事がありました。現役の時は毎日のように取材があったのが、定年退職で激減したところへ、今年は新型コロナ騒ぎです。都心に出かけるのも週に 1度ぐらいで、 2度の週は、忙しかったな、という感じがします。11月 9日 (月) と13日 (金) は都心での行事、11日 (水) と15日 (日) はズームによるオンライン研究会でした。
 9日は東京都世田谷区にある昭和女子大学の創立 100周年記念式でした。板東真理子理事長の式辞からは女性教育にかけた創立者の熱い思いが伝わってきました。前身の日本女子高等学院は文京区の間借り校舎で、1920 (大正 9) 年 9月、教師 5人と生徒 8人でスタートしました。創立者の人見圓吉・緑夫妻は農民教育に力を入れた作家のトルストイを理想としていました。中野区の校舎が空襲で焼け、現在地で再出発したのが1945 (昭和20) 年の11月 9日とのことです。
 人見夫妻は女性が目覚め、教養を身につけることが社会を変えると確信していました。後継の人たちはその精神を守り、教育に力を入れました。米国ボストンにキャンパスを設け、米国テンプル大学日本校を現在地に招き、交流で国際人を養成しています。卒業生の就職率は何年も連続して女子大学のトップを保っているそうです。
 15日は癒しの環境研究会オンライン大会でした。研究会は患者が笑いで自己治癒力を高めるのをサポートする笑い療法士の養成に力を入れています。高柳和江理事長ら 4人の講演はいずれも新型コロナの影響や対応が中心で、不安が多い分、笑いの価値が高まっていることを強調されました。
 研究会で「生活環境病」という言葉が出ました。「成人病」を、より自己責任の強い「生活習慣病」と表現したのは日野原重明・聖路加国際病院理事長ですが、高柳先生は環境要素が大きいことを指摘されました。
 板東先生も高柳先生もベストセラーの著者として有名です。お 2人を見ていて女性活躍の時代も感じました。

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