医療ジャーナリスト 田辺功

メニューボタン

田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2020年5月11日

(353)ゴールデンウィークは明けたけれど

 当初はゴールデンウィークまでだった政府の緊急事態宣言。ようやく明けたものの結局は今月末まで延長になり、外出自粛生活は変わらないまま、となってしまいました。
 「3密」を避けるべきはわかりますが、影響は超深刻です。ホテル、飲食店、公共交通機関、タクシー、介護施設や病院、学校、子どものいる家庭…窮状を訴える新聞記事に胸が痛みます。仕事が減って収入減、それにとどまらずに解雇、失業。勤務先はとうに卒業し、年金生活になった身は恵まれていると感謝です。こんな調子だとそのうち年金だって…いや余計なことは考えないようにしましょう。
 都などの休業要請が気になります。飲食店、午後8時まで営業は、それ以後は酔っぱらいが増えて密接度が高まるとの意味でしょうか。早くから来るのんべいの方が問題かも知れません。一律に時間、より各店の適切な対応に期待すべきではと思います。
 パチンコ屋さんにも同情します。私はパチンコはしないし、韓国のように日本も禁止したほうがいいと思ってはいますが、禁止ではないのに、自粛しないと店名公表はどうでしょうか。お上に逆らう店にはいじめ、嫌がらせをするようにとけしかけている感じです。実際に「爆破する」といった脅しも起きています。
 新型コロナの感染者いじめ、その家族への「村八分」も度が過ぎています。好き好んで感染した人はおらず、感染は被害者です。まして、患者の治療をしていた医師や看護師、その家族への冷たい対応にも驚きます。危険を承知のうえで働く医療関係者に感謝するのが当然です。
 政府が毎日、感染者数を公表し、隔離していることも恐怖感を高めています。でも、実際にはその何十倍もの感染者がいて、大半の人は知らずに勤務し、仕事をしているのではないでしょうか。どんなに気をつけていても、だれもがそうした健康人感染者が出す目に見えないウイルスに感染する可能性があります。感染率がある程度高くなり、ウイルスへの抗体を持つ人が増えれば流行は自然に止まるはずです。大事なのは適切な医療で、まずは死亡を防ぐことだと思います。

トップへ戻る