医療ジャーナリスト 田辺功

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2008年9月2日

田辺功「科学ジャーナリスト賞2008」受賞

JASTJ会報47号よりJASTJ会報47号より田辺功は、このほど日本科学技術ジャーナリスト会議(JASTJ、小出五郎会長)が2006年より優れた科学ジャーナリストの仕事を表彰するために設けた「科学ジャーナリスト賞」の優秀賞を受賞しました。

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JASTJ会報47号より

これからも書き続けます

                             田辺 功

私は40年間、朝日新聞に在籍し、その半分を医療・医学担当の編集委員として過ごしました。その間、痛感してきたのは、ニッポンは政府から科学者、マスコミ、国民まで、本当に「非科学」の国だということです。反応は理性でなく、感情的です。医療は再現性に乏しく、科学そのものとはいえませんが、それをいいことに無茶な非科学がまかり通っています。
考えてみると、「医療の非科学性を減らし、有効性を上げる報道」が、私の仕事だったような気がします。
今年(2008年)2月の連載「それ本当ですか、ニッポンの科学]は、医療以外にも枠を広げ、とくに行政に絡む非科学を指摘したものです。BSEの全頭検査、電車優先席の携帯電話の電源オフなど9本にしぼり、取り上げられているメタボの基準などは割愛しました。
針小棒大な健康情報も困ったものですが、根っからの非科学行政、非科学規制は何とかしなければ、と思っています。
たくさんの連載をしましたが、その最後の、いわば卒業論文代わりでした。私は古い古い記者の最後の世代です。だれもが書かないこと、ほとんど知らないことを、反発や抵抗は承知のうえで好き勝手に書くのですからデスク泣かせですし、必ずしも多くの読者に理解されるとは限りません。晴れがましい賞とは無縁でしたから、今回の受賞は驚きました。推薦して下さった方、審査委員の方に改めてお礼申し上げます。
1999年から2000年には健康面で「ふしぎの国の医療」という62回の連載をしました。そのなかで指摘をした非科学で無意味な診療のうち、この8年間で改善されたのは半分か、多くても3分の2くらいでしょうか。医療現場ではまだまだ根強く生き残っています。
5月からフリー(ター)記者になりました。ご支援に感謝し、今後も自分の視点を失わずに書き続けたいと思っています。

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