医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2019年11月11日

(329)難病慢性病フォーラムが今年も


 「難病・慢性疾患全国フォーラム」が11月9日、東京で開かれました。日本難病・疾病団体協議会(森幸子代表理事)が主催するフォーラムです。会には全国心臓病の子どもを守る会など患者や家族の会、それに府県の難病団体連合会など91団体が加盟しています。私のよく知る患者の会で加盟していない会もあります。難病・慢性病っていったいいくつあるのかな、なんて考えてしまいます。
 協議会の創立者で前の代表理事の伊藤たておさんの司会でパネルディスカッションがありました。2015年1月から施行の難病法の見直しがテーマです。重症筋無力症の伊藤さんの後任を引き受けた全身性エリテマトーデスの森さんが体調不良で参加できなくなり、代役からの発表になりました。会場には車イスの方、呼吸器などをつけた方もいましたが、残念ながら急きょ不参加は森さんだけではなかったはずです。
 医療充実、医療費助成などの対策をまとめた難病法が成立(2014年)した5月23日を協議会は「難病の日」としました。医療費助成対象の病気はそれまでの56病から年々増え、現在は333病になっています。法律は5年をメドに見直すとされており、森さんたちは、対象をすべての難病に広げることや、病気でバラバラな重症基準の適切化など、よりきめ細かな対策を求めています。
 NPO難病のこども支援全国ネットワーク専務理事の福島慎吾さんは小児慢性病の医療費について訴えました。子どもの病気は成人後も治療が続くのに、助成は子どもが20歳になると無くなります。また、2割の自己負担があります。家族は1割負担、重症者や低所得世帯の無償化、さらには小児慢性病の難病指定を願っています。
 自らの病気と闘いながら改善を訴えている患者さんたち、障害ある子どもに寄り添っている家族、それを支援する人たち。聞けば聞くほどみんな偉いなと感動します。要望ももっともなことばかりです。こうした分野に国も自治体はもっと目を向けてほしいなと思いました。

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