田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(328)学校も社会もいじめが基本
学校でのいじめのひどさが改めて浮き彫りになっています。10月13日、文部科学省が2018年度の学校でのいじめ件数を発表しました。それによると、前年度から13万件増えて過去最高の約54万4000件。小学校が42.6万件、中学校9.7万、高校1.7万件で、小学校が10万件以上も増えたのが目立ちます。
いじめの中身は6割が「冷やかし、からかい、悪口」、2割が「軽くぶつかられたり、たたかれたり」、1割強が「暴力行為」、それに「ネットいじめ」が3%にあたる1万6000件でした。「冷やかし、からかい」「軽く」といっても、本当のところ、どんな程度でしょうか。また、小学生4.4万人、中学生11.9万人もが不登校でした。不登校の多くはいじめが関係していると私は思っていますが、文科省のこの調査では、いじめによる重大被害は602件だけで、そのうち420件が不登校とのことです。またまた首を傾げてしまいます。
信じ難いのは神戸市立の小学校での教員いじめ事件です。2017年春に着任した25歳の男性新人教員を4人の教員がありとあらゆる手段でいじめ抜きました。暴言暴力嫌がらせ、激辛カレーを食べさせるなど個々の行為は教師とは思えないひどさです。他にも被害者がおり、それを校長や教頭も放任していたのですから驚きです。教員は児童にもいじめを話していたとのことですから、学校ぐるみのいじめ体質、いじめ社会です。先生が率先していたこの小学校の児童間でいじめがなかったとしたら奇跡で、まさにすばらしい研究対象になります。
あまり言いたくはないですが、日本は根っからの、いじめ社会です。皆と同じが最善で、そうでないと無視されるか、いじめ対象です。障害者、病気、貧困家庭や片親の子、職業や仕事、ハーフ、外国人、地方、言葉など違いはキリがありません。在留外国人や移民希望者などへの日本独自の政策も国ぐるみのいじめでしょう。韓国に対するこの1年の政府の強硬姿勢にもその匂いがあります。ハンセン病患者や家族、色覚など日本だけの差別がいくつか浮かんできます。