田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」
(326)異常気象の日常化、改めてすごい!
先週もずっと台風19号のニュースに驚きっ放しでした。河川の氾濫の実態が次々とわかり、被害はふくらんでいます。国土交通省によると、20日午前11時現在で、堤防の決壊が71河川の135 カ所にもなっています。とすればとても取材し切れず、一帯が泥水に埋まった胸痛む映像はごく一部の場所ということになります。
地球温暖化の影響によるとされる近年の気象の荒っぽさ、異常さを痛感します。「異常気象が日常に」との新聞の見出しは本当にその通りです。
世界各地で大きな事件事故があると、日本のメディアは必ず「日本人の死者」の有無を調べ、無ければ扱いは小さくなります。被害のほとんどが地元民の災害は最初から扱いが小さい場合がほとんどです。死者20万人超といわれた中国・唐山の地震、バングラディシュの洪水の小さな扱いに驚いたことを思い出します。
気象庁のホームページを見ると、世界は毎年、毎月、異常気象の繰り返しです。台風19号の大雨では死者90人ほどですが、昨年12月以降だけでもそれ以上の犠牲者を出した大雨は12月下旬のフィリピン中部 ( 150人超) 、 3月のインドネシア東部 (110人超)、3~4月の中東北部からインド(370人超)、6~8月に中国東部からタイ北部 (200人超)、7~8月にインドパキスタンなど(1900人超)などがあります。さらに逆上ると、2018年インドでの大雨では1500人超、2017年南アジアからアフガニスタンでは 2800人超、さらに2013年にはインド、ネパールで6300人超が犠牲になりました。
大雨と並んで犠牲者が多いのは台風、サイクロンです。今年 3~ 4月の 2つのサイクロンでは東アフリカ南部で1000人以上が死亡していますし、2013年フィリピンでは死亡・行方不明7900人を超えました。直接の死者は出ないとしても、少雨、高温などの農業への影響も深刻です。
温暖化対策がいろいろいわれていますが、とても間に合わない感じです。