医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2019年5月7日

(303)「平成から令和」でいろいろと


 順調に 5月から「令和」元年が始まりました。かなり前からいろんな行事が議論・検討され、企画されてきましたが、どれもこれも予定通りに実施されつつあります。テレビも新聞も祝・令和一色で、連日のお祭り騒ぎ。もう一度、大晦日から新年が来たかのような感じでした。
 そうでした。昭和から平成に変わった時は、昭和天皇のご逝去がありました。喪に服すべき時期に新しい年号は付け足しのような存在で印象も薄く、おおっぴらに祝うこともできませんでした。でも、今回は違います。だれにとっても天皇の交代は初めての経験で、多くの国民が素直に祝福し、受け入れたようです。
 変革期に当たって天皇制存続への疑念的な意見はメディアではほとんど見られませんでした。むしろ、後継の天皇候補が2人しかいないことから、女性皇族や女性天皇を認めさせたい論調が目立ちました。政治家や官僚は天皇制を活用することでいい加減な政治が可能であることを熟知しているのでしょう。メディアに出てくる断片的な行事だけでも天皇ご夫妻の仕事は過重です。これまで以上に列席を求められるであろう皇后の体調が気がかりですよね。
 平成は日本経済・企業の没落と、災害が特徴的でした。地球温暖化は進み、乱暴な気象は令和期にますます激しくなる可能性があります。家族の平穏がせめてもの望みです。
 外国人労働者の増加で職場も地域もアジア化、国際化が進みます。学校制度で多様化を拒否している日本がより根本的な多様化に対応できるでしょうか。少数派にたいするいじめは国策から日常、学校まで徹底しています。受け入れ制度も運用も相変わらずいい加減です。貧困層の拡大も懸念材料です。
 自分では何もせず、ただ世の中の流れを見る。それで済むのだからジャーナリストはとても気楽な職業です。令和の世の動き、うごめきを、もうしばらく見つづけたい、と思っています。

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