医療ジャーナリスト 田辺功

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田辺功のコラム「ココ(ノッツ)だけの話」

2018年7月30日

(266)トップ記事は異常気象ばかり

 この頃のトップニュースの多くはお天気絡みです。国家試験で「気象予報士」が誕生したのは1994年でした。つい何年か前からの印象でしたが、テレビで気象予報士が登場してからも結構経つのかも知れません。いまやスターですね。何しろ、毎年、異常気象が続き、集中豪雨、河川の氾濫、土砂崩れ、熱中症…。
 何十年も家族で暮らしていた家が、突然の豪雨や洪水で跡形も無くなり、時には家族が奪われます。今月上旬までの西日本豪雨では、広島県、岡山県、愛媛県などで200人を超す死者が出ました。本当にお気の毒です。年を取ってくると、息子、娘家族の存在感が増してくる感じがし、小学生の孫世代の犠牲はとくに悲惨な思いにかられます。今回、逆走の台風12号での追加被害が少なかったのは不幸中の幸いでした。
 異常気象は世界中で起きています。偏屈なトランプ米大統領だけが認めていませんが、地球の温暖化が基盤にあるのは確かでしょう。
 そのうえ、日本には地震もあります。阪神淡路大震災は1995年1月でした。阪神地区の多くの建物が壊れ、住民が下敷きになりました。また、同時に火災も起き、6400人超が亡くなりました。阪神高速道路の倒壊が印象的でした。その倍以上の死者を出した2011年3月の東日本大震災はメインが津波でした。沿岸地域が壊滅状態になり、洪水のために福島第一原子力発電所の電源が失われ、大事故になりました。
 首都圏直下型地震、南海トラフ地震の可能性が高いといわれます。東京ゼロメートル地帯、東海から南九州まで太平洋側の海に面した都市は危険が高そうです。完全な防護策はしょせん無理です。と言われてもどうしたらいいんでしょうか。ローンを抱えた若い人の移転、熱中症の危険があるのに電気代を節約してクーラーをつけない高齢者をだれが救済できるのでしょうか。
 せいぜいが起こった後の国の災害救助、復興策でしょう。現実的なのは拠点救急病院網、ドクターヘリの完備です。戦争の危険より災害の危険が上回るのですから、自衛隊の半分を災害隊に変えるとか、米国のように病院船を多数持つのも良いでしょう。
 昔から思うのですが、避難所での雑魚寝はあまりにも貧しい。ホテルや旅館、保養所を借り上げる、公営施設の用意が必要です。

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